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■日曜日昼過ぎ、新幹線「こだま」に乗って新富士駅へ。Ｋの妹のＫちゃんの結婚式に出席するのだ。一日中酒を飲むことになるだろうから車中でビール飲みたいところだがお茶でがまん。新幹線に乗りなれてない私は、揺れがなくすべるようにすすんでいく乗車感がめずらしくこれはこれで心地いい。電車の醍醐味はガタンゴトンだと思うのだけれど。ちくま日本文学全集の「内田百輭」を持ってきたので「阿房列車」を読むというあからさまな行為を実行。余計に酒が飲みたくなる。新富士駅に降り立つと富士山が大きく見える。やはり写真を撮ってしまう。すこし恥ずかしい。

■式は豪華なものだった。新郎新婦ともに美男美女で絵に描いたような結婚式であった。新郎さんに初めてお目にかかり挨拶できたことがよかった。そしてＫの親戚一同にもご挨拶。やはり女は強い。圧倒されるもあたたかく接していただきうれしい。すきっ腹にシャンパン、ビールビールビール…。沁みる

■二次会にも参加し、ビール飲み、Ｋの実家へ。そしてまた飲み、食べる。まだ三回目の来訪だが、もう何度も来ているように落ち着く。次の日は地下足袋を履いて筍掘りへ。トラックの荷台に乗って山道を登る気持ちよさはふいに高い声が出てしまうほどの感激をもたらす。せっせと掘っているＫのおとうさんとおばさんの姿に見とれる。ほんの少し地面から出るか出ないかの筍を見つけるのが難しい。鍬の扱いが難しい。足の置き場所を決めるのが難しい。なかなかうまくできなかったが、この難しいの連続は貴重な経験だ。愉しい。途中、みかんとチョコレートで休憩。みかんの皮をぽいと放る気持ちよさったらない。収穫をトラックの荷台に積み、家路へと向う。自分が農夫になったところを想像する。帰宅して昼間からビール。筍ご飯とともに。おいしい。普通のおいしいよりももうひとつ上のおいしい。夜もおいしい料理でもてなしていただき、新幹線に乗って０時前に帰ってきた。