田中小実昌『ポロポロ』河出文庫を読んで感じるのは、作者の常識や常套句に対する懐疑的な姿勢だ。そういうある種の偏屈にみえる態度は実はとても根源的な「問い」を孕んでいて堂々巡りに陥りがちだが、そこをするりとすり抜ける「あっけらかん」とした感じがコミさんにはあり、読んでいてつらくない。感銘を受ける。


■懐かしいひとが私が乗ろうとした電車から降りてきた。お互い「おっ!」と言ったまま何も言葉を交わさず。


■日曜日。物欲の渦に巻き込まれ、刺激され、靴を二足買う。最近財布をあたらしいのにしたが、するするとお金が消えていく。立川フロム中武古書市へ行く。収穫あり。『植草甚一読本』晶文社を安価で手に入れることができてうれしい。日記をちびちび読んでいる。


クレイジーキャッツ『香港クレージー作戦』『クレージーメキシコ大作戦』を鑑賞。連ドラの『寺内貫太郎一家』『すいか』を最初から最後までレンタルしてきたのにつづき、今度はクレイジーキャッツ出演映画を借り続けることになりそう。クレイジーキャッツの面々の輝かしさはもちろん、中尾ミエがすばらしくキュート。歌もいい。