■自宅で夕方を過ごしている。煙草のけむりが目に沁みる。コーヒーを二杯分淹れてマグカップにたっぷりそそいだ。真夏にアップリンクでやった豊田道倫宇波拓の『グッバイ・メロディー』を繰り返し聴いている。日記を書こうと思った。

■Kを見送ってふらりふらりして初めて遭遇した中央線の新車両に乗って国分寺に帰ってきた。あの赤い電車は徐々に減ってやがてなくなるらしい。それはとてもかなしい。やっぱり愛着があるから。遭遇する直前、友人に中央線が新しくなるんださびしいねというメイルを送っていたのですこしおどろいた。


■音楽を久しぶりに取り出した豊田道倫『sweet26』に変えた。大晦日にこれを聴いたということを記録しておきたい。これは個人的な願いだ。願い、なんて大げさかもしれない。なんだか、今、とても気持ちよく音楽が響いている。大晦日私の部屋。

台所

sweet 26

sweet 26


■あっという間に大晦日だ。というフレーズはお決まりだ。それはでもやっぱりそう思う。職場の忘年会、友人との忘年会、友人への贈り物をこしらえたり、あたらしい眼鏡を買ったり、デートをしたり、今年最後の一週間はあっという間だった。


■あたらしいエンタクシー、坪内祐三の『文藝綺譚―村上春樹の新訳「グレート・ギャツビー」・小島信夫の死・大江健三郎―』がいい。坪内氏の私的な事柄が滲み出る文章がとても好きだ。神蔵美子の『たまもの』をひっぱりだして、氏が写っているページを眺めたくなる。

■コーヒーが冷めてきた。体も冷えてきた。日が暮れた。そろそろ二駅離れた実家に行こうと思う。