成分分析

■書けなかったここ二日のことを書いておこう。


■土曜は、まあ特にとりたてて書くことはないか。ドラマ『タイガー&ドラゴン』のDVDを借りて観た。いまさら説明する必要もなさそうだが、例の落語ブーム(?)のきっかけとなった連続ドラマだ。これ、何故かいままで食わず嫌いで敬遠していたのだが、たまたま再放送に出くわし観てみると、すこぶるおもしろくて、全部観てやろうとたくらんでいる。一話ごとにひとつの落語の噺とリンクした内容になっている構成や、途中に挟まれる寸劇の滑稽な様は見事であり、可笑しい。出演する役者もキャラクターがはっきりしていて単純に楽しめる。クドカン会心の作だと思う。


■日曜は久しぶりに競馬には行かない。このところ負けが続いているので一回休みはいい機会か。これで調子を上げられるといいけれど。


■で、何をしていたかというと、昼過ぎに自宅に友人たちが集まってある企みについての会議。友人の沖縄旅行のビデオを観たり、世間話をしたり、だらだらと過ごしたが、会議の成果もあげる。あと、自分の成分を知る*1

60%は欲望で出来ています
37%は時間で出来ています
2%はミスリルで出来ています
1%は心の壁で出来ています

欲望が主成分らしい。なんとなく頷ける。

■で、そのあとはニチニチへ。たくさん食べて飲んだ。何杯飲んだか憶えていないが。店員に間違えられたことは憶えているし、いい思い出だ。トイレから出てきてテーブルに戻ろうと歩いていたらお兄ちゃんに「生!」と一声。一瞬たじろいでしまったが、すかさずキッチンに向かって「生!」と伝える。こういうときは大抵、間違えられるほうよりも間違えたほうが恥ずかしがるものだ。それにしても店に馴染んできたのだろうか。大好きな店だからうれしい。


■今日は電車の中、空いているのにいろんな人に代わる代わる接近する変質者がいた。隣に座っていた女の子は勇ましく接近してきた男を睨みつけ蹴飛ばしていた。そんな中、「新潮」2月号掲載の中原昌也『点滅……』を読了。僕は中原昌也を買っている。その思いが確信になった。彼が毎度のように書く、小説を書くことにたいする葛藤は彼の真面目さの裏返しであり、決して「芸」などとは思わない。以前佐々木敦との対談のイベントでも感じたことだが、至極真っ当な人、というのが僕の印象である。そのとき、彼は「心無い小説を書いているからといって、心無い人間だと思わないで欲しい!」と怒っていた。それにしてもこの『点滅……』は予想以上におもしろくて、一行一行を読む喜びに満ちていた。まったく隙がないともいえる。時折、凡庸な言い回しを明らかに意図的に使う部分があり、それがなんとも批評的で刺激的で何度も唸った。