東京ステーションホテル

awayama2006-03-24

■東京ステーションホテルが営業を休止するということを聞きつけて、昨日、東京駅に行った。なかに入ると時間が止まっているかのような感覚に陥る。床に敷かれたじゅうたんの感触がこれほど心地良く感じたことは今までなかった。「それほど」の場所だった。東京駅の改札前の広場を見下ろしながらぐるり歩くと、正に「下界を見下ろす」という風になって愉快だ。さらに奥にいくとたどり着くのがレストラン「ばら」。ティータイムだったので珈琲を注文する。ウェイトレスの言葉使いや振る舞いが、何かにとりつかれたかの様に思われるくらい品があり、少し感動を憶える。客は4組しかいなくてガランとしていた。それぞれ窓際の席に落ち着いていて、ひとつ残っていた窓際のテーブルに通される。眺めがいい。はとバスと新幹線が見える。東京駅ならではの風景。1915年開業以来、様々な人が様々な思いでこの窓から「東京」を眺めたことだろう。そんなことを思い、その場に染み付いた「気配」をうっすらと感じつつ、ゆっくりと珈琲を飲んだ。


■そのあと八重洲古書館に初めて行き、2冊購入。ネルヴァル『火の娘』。あの大好きなカバー、日本文学は小豆色の背、海外文学は藍色の新潮文庫の復刊シリーズだ。それと、稲垣足穂『A感覚とV感覚』河出文庫。これもカバーデザインがかっこいい。今書店で並んでいるのとは違う。初版だ。


■そして夜は東京を離れる友人を見送る飲み会。久々に集まるメンバーで長時間飲んであーだーこーだ言い合い楽しかった。1人は新潟に、1人は広島に。しかし遠いなあ。しかも1人は海上自衛隊に入隊だ。それ「らしい」髪型になっていて驚いたと共におかしかった。