本読み

■本を読むことの歓びといったら、それは、読んでいる最中の自分の心の動きに他ならない。読後にあれこれと思いを巡らし、ここに感想をしたためることではない。読んでいる最中、読んでいる時間そのものに歓びを感じる。読んだ結果何を得たか、そんなことは二の次である。読書に生産性を求めることはとても貧しい。


■と、湯船に浸かりながら考えていた。前回の日記で書いた保坂氏の本からの引用について何も書かなかったけれど、そりゃ僕だっておもしろい故に一気に読んでしまうことはある。言いたいのは、面白い小説の褒め言葉として「一気に読んだ」という感想が流通しているのがおかしいということだ。じゃあ、遅々としてなかなか読み終えられないものは面白くないのだろうか、と問いたくなる。そもそも「一気に読んだ」というフレーズはどこか「生産性」というものを連想させられる。



■昨夜は大学時代(僕は中退だけれども)の同級生の会合に遅れて参加。遅れを取り戻すように麦酒を次々と飲み干し気持ちよく酔っ払って帰宅。