長袖

■夜になると涼しい。長袖のシャツを羽織る。


■知り合いの方がバイト先に来て軽く挨拶。


■風呂で保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』を読んでいたら出会ったこんな一節。

「面白い小説」のほめ言葉として、よく「一気に読んだ」というのがあるけれど、だからそれはほめ言葉ではない。そういう小説は、すでにある面白さ、すでに読者が知っている面白さに則って書かれているわけで、これは私の考える小説の面白さではない。
 それに、そもそもの話、「一気に読める」ということは、早くその小説の世界から出てしまうことで、本当に面白い小説なら、そんなに早くその世界から出たいとは思わないはずではないか。

うんうんと頷いて夢中になって読んでいたらのぼせてしまった。


■バウスでやるゴダールの特集上映とロサでやるヴェンダースのオールナイト上映の日時をカレンダーに書き込む。


■グールドが弾くバッハの『平均律クラヴィーア』四枚組の一枚目を今聴いている。時折聴こえるグールドの唸り声に耳を澄まして聴いている。自分が、今、ここに、重さを伴って、いる、という確かな存在感が膨らむ。ゆえに、肩の力が抜け落ち着く。