西伊豆

■昨日今日と西伊豆へ旅行に出ていた。


■十年ぶりくらいに海に入ってはしゃいでへとへとになるまでぐんぐん遠くまで泳いで漂う魚の動きに目を奪われていた。海はいい。泳ぐのに疲れて足がつくことができる岩を探すのも楽しいし、もし見つからなくても仰向けになってプカプカ浮いていれば良いのだ。当たり前のことだがプールとは違って海は人間のために作られたものではないから、充分に変化に富んでいて好奇心がムクムクと湧き上がり、あっちのほうの水中はどうなっているだろうかとか、あの岩場まで行ってみようとかで、泳ぐ欲が沸く。


■おかげでさんざ夢中になっていたので膝を擦り剥き血を滲ませながら砂浜にうちあげられたワタシ。砂浜で時間を持て余すことなく、とにかくよく泳いだ。泳いだ後の独特の倦怠感はどうしたって小学校の水泳の授業のあとのぼんやりとした時間を思い出す。机の上にだらりとからだを投げ出し頬で感じる机のひんやりとした感覚と、90度回転された教室のぼやけた風景が、旅館の畳の上にごろんと転がるワタシの瞼の裏に浮かんだ。