積読

■部屋にはまだ読んでいない本がところどころに積まれている。
いわゆる、「積読」ってやつだ。
それらを眺めていると、妙に嬉しくなる。
それは、「たくさん集めたなー」というコレクター的な感慨ではない。
そこに「時間」を見るからだ。
その本を完成させるために製作者が費やした時間。
僕がその本に出会うことになるお店までの道のりで費やした時間。
という通り過ぎていった時間。過去。
そして、その本を読むためにこれから費やすであろう時間。
そう、僕の未来の時間が、横たわって積み上げられて確かにそこに存在している。
と、甘美な思いにとらわれる。