雨に打たれた私の日記

店内をぐるりと周り、帰ろうかと傘立てに目をやると、ない。
傘が、ない。
仕方なく雨に打たれながら、15分ほど歩いて帰宅。
雨の効用。
高揚。
ヘッドフォンで聴くESG『A SOUTH BRONX STORY』が僕を軽快に歩ませる。
結構濡れたが全然苦じゃなかった。
店を出るときは傘を奪った奴に天罰が下されるよう祈ることに余念がなかったが、家に着く頃には、なかなか気持ちの良い帰り道だったとほくそ笑む僕はそいつに感謝の念を送る。

ずっと気になっていた山本精一PHEW『幸福のすみか』*1を今聴いている。表情の変わらない山本氏のボーカルと、時には子供、時には老婆、時には男にまで変化するPHEWのボーカルという対照的な2人であるが、感情的な歌い方をしないという点で共鳴する。演奏、録音、共にシンプルだ。後からほとんど音足してないじゃなかろうか。ひとつひとつの音が強い必然性を持っている。
「既にそこにあるもの」として響く音楽。
すごく好き。

*1:

幸福のすみか

幸福のすみか