アラーキー

昨日は月に一回あるかないかのアルコールを一滴も飲まない日だった。おかげでなかなか眠くならず外が明るくなってくるのを眺めていた。とは言ってもここのところ宵っ張りに磨きがかかってきているので普段通り。次の日が休日ということもあって、慌てず焦らず騒がずゆっくりと床に就いた。
そして今日。五時間ほど眠って起床。休日ほどもったいなくて寝ていられない性質なのだ。
吉祥寺をぶらり。僕の場合、「ぶらり」ということは自動的に古本屋を覘くということになる。藤井書店(穴場。安くて時々良い本が見つかる)で出たばかりの『群像5月号』『文学界5月号』を格安で手にし、ブックオフの文庫100円コーナーで夏目漱石『それから』*1飯沢耕太郎『荒木!「天才」アラーキーの軌跡』*2を。漱石は恥ずかしながら『坊ちゃん』と『草枕』(の57調の文体には相当入れ込みました。)しか読んでいないのです!だからいまさらながら読まなくちゃなと。そして写真評論家の飯沢氏によるアラーキーの評伝は、今夜渋谷のライズXにトラヴィス・クローゼ監督の『アラキメンタリ』を観に行こうと思っていたのですごく良いタイミングで見つかったのです。ついてる〜。こういう日はまだまだ何か見つかりそうな予感がしてうきうきする。現に、映画を見終わって吉祥寺に舞い戻り少し飲んで三鷹駅までなんとなく歩くことになって、その道の途中にあるブックステーションで常に探している深沢七郎(古本屋に行って五十音順に並んでいたらまずは「ふ」の項目を見ます・笑)の『夢辞典』*3を手に入れたのだから「ぶらり」はやめられない。良い気分で帰宅。
さて、映画はといえば、それほど縁があるとは思えない北野武が何度もコメントを寄せたり、なぜかDJクラッシュの音楽が使われていたりして、どこか八方美人な映画だなという印象や本当に製作者側が荒木さんのこと好きで作っているのか?という思いが付きまとったが、とにかく荒木さんが動いて喋っているのを見るだけで良い(笑)というミーハーなファンの僕には充分楽しめました。彼の思い切りのよさや、あらゆることを自身の作品(表現)にねじ込んでしまうパワーにはただただ頭が下がるばかりです。

*1:ISBN:4101010056

*2:

荒木!「天才」アラーキーの軌跡 (小学館文庫)

荒木!「天才」アラーキーの軌跡 (小学館文庫)

*3:

夢辞典

夢辞典