■月曜日に雪が降る。前回の雪とはくらべものにはならないくらいの降りで、特に我が家の回りはよく積もっていた。帰りの電車は荻窪から国立まで、いつもの3倍の1時間半かかってさすがにため息まじりの帰路になるが、駅から家までの歩みは雪のせいでなかなか愉しいものになる。普段雪に悩まされていない東京人はこういうことを言う。

■雪が降る前日、Tちゃんの呼びかけで集まった総勢10人で、浅草のうんこビルことアサヒアートスクエアに入ったのは「マレウレウ祭り」のため。女性4人が披露するアイヌの伝統歌「ウポポ」に聴き惚れる。微妙な間隔(感覚)でずれて歌われる、つまり輪唱ということなのだが、音像がきわめて緻密でまるできめ細かく織られた布を見ているよう。そしてその布が風に揺られているようなおおらかな「うねり」を感じさせてくれる。聴いている最中、時間の感覚が直線的なものではなくグルグルと回って(円還的?)、いつまでも聴いていたいという気持ちになった。お客さんみんなでの輪唱も思いのほかスムーズに参加でき(ためらってしまう性質なんですけれども)、単純に声を出して歌うことの気持ちよさ、そして他人と合わせて歌う楽しさを味わった。
マレウレウの後に登場したUAをひさしぶりに観て、その歌声、そしてバンドの演奏(スティールパンほしい!そして内橋和久のギターはかっこいい)に聴き惚れる。そして近くで胡坐かきながら観たUAは、とてもキュートで親しみやすい魅力をみせるものの歌っているときの姿はやはりある種の聖性をアウラを感じさせる。

■贅沢な時間を過ごした後は、神谷バーに行くも閉まっていてがっかり。近くの掘っ立て小屋風飲み屋でそれぞれとは飲むけど揃って飲むことはないんじゃないかというメンバーで軽く打ちあげ。皆それぞれ微妙につながっていておもしろかった。