■今年初めて観た映画はアンゲロプロスの『旅芸人の記録』だった。先週の木曜日にひさしぶりの早稲田松竹へ、しかも朝一番の回に行ったのはめずらしい。バルカン半島の歴史について明るくはないが、それでも四時間の上映時間を楽しめたのは、バンドネオンの音、そして映像の構図のとくに俯瞰のときの美しさがあるからだろう。トイレに行くのが惜しくて我慢して、上映後駆け込んだら行列していて、みんなおしっこを我慢しながら観ていたかと思うとおかしかった。


アンゲロプロスの他の映画を観よう。できれば映画館で。『旅芸人の記録』のあの長い時間を集中することは自宅だったら絶対にできなかっただろう。