■休日。台風が来ているというから早めに出かけた。朝飯も食べずに腹をすかしてなまぬるい風雨の中を歩く。駅ビルの上の眺めが良い喫茶店でサンドイッチと珈琲。雨は降ったり降らなかったり。電車に乗って吉祥寺に行く。いろいろと買い物をして電車に乗って帰る。午後四時。夕飯にはまだ早いが、何かつまんでちょっと飲みたいなと思う。こういうときに適当な飲み屋があったらいいのだけれど思い浮かばなかったため駅ビルの地下に行き、餃子とレバーの醤油煮、瓶ビールを買って帰る。雨が当たる窓を眺め、さっき買ってきた『マイルス・アヘッド』を聴きながら飲酒。まだ五時前、外は嵐である。暢気にいい気分になって、なにか世間(?)に対する優越感と罪悪感がすこし。向田邦子『父の詫び状』、赤田祐一『「ポパイ」の時代』を拾い読みしているうちに外はいつの間にか真っ暗になって雨風ともにますます強くなっていくのだった。荒井由美「晩夏」を一回じっくり聴く。メロディーも歌詞も完璧だと思った九月六日。晩夏。夏はおしまい。

14番目の月

14番目の月


■そういえばナイター中継をやっているんじゃないかと八時過ぎテレビをつけて、久しぶりに熱心に観る。阿部の飄々とした顔がいいなとあらためて思う。巨人対中日。いいところでテレビ中継が終了。気になってAMラジオをつける。こういうことをするのは何年ぶりだろう。思えば小学生の頃は熱心な野球好きで、十二球団すべてのスタメン選手を覚えていてセリーグに関しては一軍の選手はほとんど頭に入っていたと思う。友人たちとどれだけマニアックな選手のまねをするかで競っていたなあ。私は巨人ファンで好きな選手は篠塚だった。