祝・開店
■さあ日記だ。
■今出ているユリイカが面白そうだ。「野坂昭如特集」。金井美恵子、坪内祐三、岸野雄一、菊地成孔、水越真紀、三田格、工藤キキ、ECD等々豪華な執筆人がそろっている。それにしても後半4人の人選てもろエレキングじゃん。懐かしい。
■バイト後、菓子折りを持って友人が今日開店した古本屋へ。自分のことのように嬉しくなる。実に良い店で棚を見るのが楽しい。いまや店主になった友人と感慨深げに言葉を交わす。新潮文庫の小島信夫『アメリカン・スクール』と作品社の日本の名随筆『酔』をレジに持っていったらお代はいいよと言われありがたくいただく。これからも足繁く通って恩を返そう。他に日本の名随筆『能』、ちくま日本文学全集の「木山捷平」はちゃんと買う。ここに店名を記しても良いのだが、やっぱりやめておく。今、その店名でネット検索しても引っかからない。最初にネット上でその店名が記され、広がっていく様を眺めてみたい。友人である僕が最初になるのもなんだかなあという感じなのだ。それにしたって口では周りに伝えていこうと思う。
■そういえば鞄の中に入れていた安岡章太郎の講談社文芸文庫から出ている初期の短編が収められた『ガラスの靴/悪い仲間』を読み終えた。最初は手ごたえがなくこんなものかという風に読み進めていたが、短編をいくつか読んでいくうちに、同じような人物や設定が出てくることによって作者自身の姿がぼんやりと、しかしそれが重なり合うようにして段々くっきりと見えていくように感じられて、まさに読書の歓びを感じるに至った。