納涼歌暦2005

■最近この日記に穴が空いてしまっている。日々生活する中で、時々、これ日記のネタになるな、などと思うのが厭になったりしている。だから最近、少し億劫になっていた。初めからそうだと言えるかも知れませんが、もっとそっと単純に記録としての日記を書こうと思う。


■ちょっと深呼吸。まあ、徒然なるままに書いていこうという心境である。

■そうだ。例えば、毎日毎日の献立など食べたものだけを公開したり、家計簿だとか、万歩計の歩数だとか、そういう一種類の具体的な記述を延々と毎日ブログに書いていくというのがあったら面白いだろうな。どんな人物か想像するのがすごく楽しい。というかたぶんそんなのあるんだろう。滝川クリステルを毎日チェックするブログ(http://funapon.info/chri/)もあるくらいだしな。あれはいいアイディアだ。まず需要があるよ。


■昨夜は渋谷のライブハウスで催された岸野雄一氏が率いるWATTS TOWERS主催のイベント『納涼歌暦2005』に行ってきた。食欲減退気味でフラフラの僕にとって渋谷駅周辺を歩くのは悪夢のようでふらっと入ったフレッシュネスでホットのほうじ茶ラテなんていう普段絶対頼まないものを飲んでホッとして、よし行くぞ!ってな具合で悠々とネストに行って受付に貼ってある紙をふと見たら出演者がまったく違って冷や汗。日を間違えたかと頭を抱えるも、すぐ近くに新しく(?)できた同じ系列のライブハウスだということが判明。事なきを得る。それにしても名前似てるよ。nestとCrestって…。


■前座はレムスイム。ギターと歌の女性とウッドベースの男性のバンド。ゲストのパーカッションの女性はずっといて、東大授業でお世話になった大谷能生さんが途中数曲サックスで花を添えていた。初めて観たレムスイムはリズムがしっかりしていてギターはカッティング中心で全体的に空間があるスカスカな演奏でしかもボーカルが女性だから、ESGとかヤング・マーブル・ジャイアンツを彷彿とさせて僕が嫌いなわけがない。でも本当はそういう何に似ているということよりも僕が惚れたのは彼女の歌声で、まっすぐなんだけれどすこしハスキーな声で、もうそれは好みの問題の何物でもないが、コロッと行ってしまった。しかしやっぱりその声だけじゃたぶん充分にはのめり込むことができなかっただろうと思うのはリズムを意識した演奏が単純に心地良かったからだ。不足がなかった。


■新しくいい音楽に出会うと、もちろんうれしい。めずらしくライブで初めて聴いてその場でCDを買うということをする。円盤で倉地久美夫さんのライブを初めて観てアルバムを全部買った時以来かもしれない。それにしても気に入った。今日も何回も聴いたし。


■そしてビールを飲みながらお楽しみの岸野雄一率いるWATTS TOWERS。ご存知の登場の舞いは無くなったが、それでもスーパーマリオの格好で姿を現し会場は笑いにつつまれ、「ファンタジックでポップな、お茶の間スペース・ロック・オペラの決定版!」と謳う岸野ワールドが全開。あの喋っているのが段々と歌になっていく様は夢と現実の境界線を見せられるようで何度観ても全身が身震いするほどの感激に襲われる。夢と現実を行き来し、まさに縦横無尽に駆け回るステージは素晴らしきエンターテイメントショウであると同時に、今その時を知るために必要なニュースショウでもある。

玉音放送をラップした時は吃驚した。

■岸野さんはいつもいつも丁寧で観客に対して誠実であるしあろうと努めている。僕はその姿を観ていて本当に嬉しい気持ちにさせられる。時折飛び出す観客に対するアドリブを見事にステージ上の自分のショウに繋げる腕は実に器用だがいやらしさがない。これも彼の真摯な姿勢のせいに他ならない。バックのバンドも色々なバンドで活躍している強者揃いで自由自在に岸野さんの歌に寄り添っているという印象。中でもキーボードの岡村さんは長年一緒にやってきただけあってもう「あ・うん」の呼吸で通ずる域まで達しているかと思われるほどだ。


■いい夜だった。おかげで体調もよくなって、もりもり食べて飲んでいる。