日本語

■普段なら木曜は休みなのだが、今日は例外的に23時まで出勤。こんな日に限って久しぶりの友人から今日飲みに行こうとの着信がある。


■雑誌を買う。サイゾー九月号と新潮九月号。サイゾーはなんとなく惰性で買っていて、毎月もう買うのやめようかなと思うのだけど、小説を読むのが疲れたときにパラパラやるのにはちょうど良くて、やっぱり面白いなあなんて思いながらパラパラやる。爆笑問題都築響一辛酸なめ子の連載と巻頭のグラビアを楽しみにしている。新潮は青山真治の小説が載っていて楽しみなことこの上ない。前の小説が群像の7月号に載っていたから働き者である。それにしてもこちらも連載が強力で、大竹伸朗都築響一(また!)と保坂和志なんかを楽しみにしているが、まずは電車の中でECDの短いエッセイを読もうと思っていたら隣に座っていた若い女性2人の会話が、というか声が良くて聞き入ってしまい全然集中できなかった。顔を見たかったのだけれどあまりにも近かったからなかなか見れなくて、僕が降りるときもまだ乗っていたので、ホームに下りてすかさず窓越しに見ようとして首を九十度回転させたら、見事に窓の真ん中の枠が彼女の目の部分を遮って地団駄を踏んだ。


■帰って冷奴をつまみにビールを飲みながら、小説『アーリオ オーリオ』内での叔父と姪の手紙でのやりとりが実に巧みで上品で気になっていた絲山秋子松浦寿輝の対談を読んで日本語のアルファベットにはない特異性について思いを馳せる。ひらがな、カタカナ、漢字が混在する文章や漢字の形による視覚的なイメージの喚起力は日本語を母国語とする僕にとって誇らしく、また簡単に扱うことのできない手強い財産だ。例えば、「ひと」「ヒト」「人」、音は一緒なのにそれぞれ全然イメージが違ってくる。日本語はおもしろいなあ。
余談だが、冒頭お二人の顔写真が並んでいて、とてもよく似ている。眼鏡のせいか?