■一度も食べたことのないものを初めて口に入れるときはいつだって興奮し期待と不安が交差する。そういう機会は意外とない。Kの実家に帰ったさい伯父さんからもらった猪肉を私の実家に持っていき鍋にして食べたのは日曜日。私もわが実家の面々も食べたことがなかったので興奮状態でうんうんと頷きながらもくもくと食べた。くせはないが肉の味がしっかりとしていて美味しかった。肉を食べることにたいする祝祭的感覚がよぎる夜。

■昨日は仕事のあとひさしぶりのMと吉祥寺の台湾料理屋で飲む。トイレに向かうと、私たちのほかに客がいなくなってひまだったのか、いつもぶっきらぼうな店員が(そこがいいのだ)ニコッと笑って扉をスッと開けてくれた。青菜炒めと棒々鶏で燗した老酒をクイクイやって、ぼそぼそととりとめのない話をする。