本日の耳
深沢さんの本を読んだらこのCDも聴かなきゃ治まらない。
ニューヨークのギタリスト。か細いエレクトリックギターの音が強靭に響き異常な存在感。針金のような音とでも言おうか。指の動き、弦の上をすべる感触が目に見えるよう。
冬の夜によく聴いている気がする。詞が生々しくて聴き入ってしまう。
この中の「寝図美よこれが太平洋だ」という曲がエンケンの中で一番好きかも知れない。あの笑い声に僕はついほころんでにやけてしまう。「寝図美」とはエンケンが当時飼っていた猫の名。可笑しい。
6曲目の「DUET FOR SAXOPHONE AND GUITAR」というなんでもない小品のLee Konitzのなんでもない(ある)サックスの調べがとても好き。
これ、久しぶりに聴いてみたけれど、実は良いんだな。この薄っぺらさ、空虚さはなかなかない。心に沁みます。世間的には迷盤と解釈されているような気がするけど、僕にとっては名盤だと再確認。まあ『LIFE』には及ばないけれども。久しぶりに聴いてみて…