■台風が近づいているらしい。しかしまだ東京は雨が降っていない。いやに空気が重く苦しい午前中。久しぶりにmice paradeの『Ramda』というアルバムを流す。99年の作品。ひとり暮しを始めたころ、3曲目の「Galileo」が好きでよく聴いていた。妻はYOGAに出かけた。ひさしぶりに出かける予定のない日。休日(?)。しかしこういうときにやらなきゃならないことはいっぱいあるのである。WEBSHOPの作業だ。最近滞っている。

■滞っているといえばこの日記だ。もう9月である。8月後半はいろいろなことが詰まった日々だった。すこし振り返ってみようか。

■13日。勤務後、21時過ぎ発の高速バスで妻の実家へ(妻は前乗り)。隣の席の女子を気にしつつ、バスの中で読むために買い控えていた「en-TAXI」を楽しみながら(「マイ・リトルプレス、思い出の小出版社そして雑誌」なんてシブい特集を続けてくれることを祈る)、ビールのロング缶をごくごくやる。
■14日〜16日。3日間ほとんど実家、またはその周辺で過ごす。車にも乗らなかったような気がする。午前中は本を読んだり(横尾忠則の日記本『365日の自画像』)わんぱく盛りの甥っ子と遊んだり、5ヶ月の姪っ子のむちむちな体を見つめたり、のんびりと過ごし、昼を過ぎると、川遊び。3日連続ですぐ下の川で義妹家族やいとこの家族と遊ぶ。水の冷たさを恐れながらも一度潜ればこちらのもの。泳ぐのはもちろんのこと、網をつかって雑魚を捕ったり、石を投げたり、ビールを飲んだり、アイスを食べたり。ずっとこの時間が続けばいいのにと思うも、体力には限界があるいうもので、家に戻って昼寝。そして夜は豪華な夕食&ビール。わいわいと庭でバーベキュー。ポークビッツ&玉ねぎのかき揚げがものすごく美味しくて感激し、普段食べなれないやわらかい高級な牛肉をもりもり食べる。それで胃がびっくりしたのか、朝に腹がゆるくなりぐったりしていたのもいい思い出。それでもやっぱり川で遊んだ。最終日には近所でお祭りがあり、行ってみれば、のどかな風景のなかに大きな炎が立ち上がり、皆が一斉に見つめ、熱風にさらされる。八百万の神々に心の中で手を合わせていた。奥では人もまばらな盆踊りが開催中で、妻にそそのかされて輪に加わってみる。見よう見まねで踊ってみるとだんだんと体が盆踊り用にスイッチが入って心地良くなってくるからおもしろい。日本人はこのスイッチを持っているにちがいない。
■17日。妻より先に帰京。朝の新幹線で勤務先に直行。体が日常にもどらずぼんやりと過ごす。
■19日。朝、妻からの電話でおばあちゃんが亡くなったとの報を受ける。愕然とする。いつも帰省のおりには会いに行っていたのだが、今回は会わずに帰ってきてしまっていて、すこし引っかかっていたところだった…。40年ほど前に若くして亡くなった旦那さんと命日が同じであることに驚く。また、そんなこともあるだろうと納得するような気にもなる。
20日。勤務後、吉祥寺でひさしぶりにKちゃんと会って吉祥寺の大衆居酒屋でビール。日焼けした腕をみせつける。近況もろもろ報告しあう。もろきゅうを2回注文した。
■21日。ニチニチ日曜市。妻は急遽引き続き実家にいることになり、初めてひとりで参加。雨が降るなかの開始でどうなるかと思ったが、すぐに雨は上がり、お客さんもたくさん来てくれてありがたかった。友人のサモサ屋Timokeが初出店でどうなるかと気になっていたが、見事完売でほっと一安心。夜は近所に引っ越してきたばかりのTimokeのTちゃん宅にて宴会。妻が同席していないのに妻の学生時代の同級生たちに混じって酒を飲む不思議な夜。すっかり打ち解けていろいろな話をした。大量の枝豆があっという間になくなる。なす田楽に舌鼓を打つ。
■23日。5時におきて高速バスで再び静岡へ。妻の祖母のお葬式に出席。火葬場でおばあちゃんの顔を見ることができて良かった。会って話した時間がよみがえってきて涙が出る。初めていく山の上のお寺が素朴で、さっぱりとしていて、礼服の中はぐっしょりと汗をかいていたが、風通しがよく気持ちが良かった。お経にふりがながふってある紙が配られ、皆で唱える。ついはりきってしまう。
■24日。朝、帰京。自由席がいっぱいで座れずまいる。夏の終わりを意識する。
■25日。勤務前に幡ヶ谷へ行き、古本泡山の買取へ。知り合いの音楽家の方の家。文学、音楽関係の良書が大量にあり、本棚から好きなもの抜いていいとのありがたい言葉を頂戴する。車が確保できなかったので運び出すのは後日にする。そして昼過ぎより勤務。0時過ぎに帰ってきて、隣家のJさん宅でTちゃんの「ようこそ国立」会へ。ひさしぶりに妻に東京で会う。国立、またはその周辺に住むあの人この人が集合。ちゃんと自己紹介できたかしら。もうそろそろお開きという時間にお邪魔したが、2回目のパエリア(美味!)を作ってもらってありがたくいただき、お茶にうつっていたTちゃんもSくんも一緒にビールを飲んでくれて、宴は続く。最後は死生観について話し合う濃い時間になった。私はものすごく死を恐れている。そして恐れていない人がいる。そのことに驚く。午前3時解散。
■28日。午前中、実家の車を借りてひさしぶりの運転に戸惑いつつも、なんとか幡ヶ谷へ。買い取る本ダンボール3箱分をピックアップ。せまい道を運転している時、こすらないか心配で何度もそっち大丈夫?と聞く私に同乗した妻の「大丈夫」という声があまりにも冷静できっぱりとしすぎているため、信用できず何度も聞いてしまう。そのやりとりが我ながらおかしい。昼過ぎ、隣家のJさんに声をかけて匙屋での「かき氷やゆい」出店にかけつける。宇治金時、桃、いちご練乳と3つの味を楽しむ。どれも手作りのシロップ(もちろん餡子も練乳までも)で完成度が高くて感激する。夜、実家へ。手巻き寿司にビールビールビール。