ウイスキーのお湯割りを飲む夜。

■昨夜は実家ですき焼きを食べて大量のビールを飲んでいたら、急激な腹痛と下痢におそわれて何事かと思った。テレビに映るアリクイを「気持ち悪い」と何度も言っていた罰が当たったのだろうか。今日はなんともない。

■昨日は昼間ずっと家にこもってKとネット古本屋の作業。撮影、入力をコツコツと進める。Kはリビングで、私は本に埋め尽くされた部屋でお互い別室で作業をしていると、「仕事場」の雰囲気が出てきておもしろい。はっぴいえんどや湯浅湾、山本精一の歌声がリビングから聞こえてきた。


■先日の静岡行きでは、例の佐々木中の本は読まずに、読みかけだった小林信彦の『夢の砦』新潮文庫をずっと読んでいた。1960年代前半の東京に生き雑誌編集に夢中になりながら、あれこれと夢を膨らませる青年の物語で、娯楽小説的な要素はおおいにあるのだけれど、主人公の性格がどこかうっすら「退いた」ところがあり、煮え切らなさがつきまとわっていて、不思議なブルーズを感じさせてくれる稀有な青春小説だった。小林信彦の自伝的な小説としても読めるので、これは誰だあれは誰だなどと探りながら、また当時の東京について思いを巡らせながら興味深く読んだ。


■早くもっと暖かくならないだろうか。昼間窓を開けて過ごしたい。となぜだか無性に思う。ストーブのあたたかさにはもう飽きた。