■とてもひさしぶりの更新になってしまったのは、私が怠けていたといえばそういうことなのだけれど、この家に引っ越してネットをのぞく時間が少なくなったせいもあるかもしれない。テレビもあまり観なくなった。帰ってくるとキッチンの新しいテーブルで酒を飲み、本を読む。外に出て煙草を吸いぼーっとする。そんなふうに過ごしている。

■先月の終わりに妻の実家(静岡)に帰ったとき、三日間ほとんど同じように過ごしたのだけれど、素晴らしく気持ちのよい時間であった。テレビもほとんど観ていないし、ネットもしなかった。たっぷりと寝て朝食を食べ、庭でぼーっとし、川で泳ぎ、昼飯を食べビールを飲み、昼寝をしたり、本を読んだり、甥と遊んだり、すると夕食で賑やかにもりもりとうまいものを食べ、飲み、12時前には眠くなって眠るという日々。そんなの毎日続けることは、働かなくてはならぬから、無理だけど、体がリフレッシュしてすごく充実した滞在だった。こわがって近づくと逃げていってしまってなかなか馴れてくれなかった甥も次第に打ち解けてくれて、最後は手を繋いでくれて感激した。
持って行った本はカフカの『城』(初読!)とブルータスの「美味求真」特集号。


■明日から本格的に涼しくなるらしい。

■今年の夏はいろいろなことがあった。いつもの夏と同じように、どの季節にもあるように。しかし今年はやはり「新居(平屋)での生活」というのが大きかった。「庭に出る」という行為がある生活は思った以上にいままでと違う感覚を呼ぶし、玄関先に雀の死骸が転がっていたりするのもまた、なかなかおもしろい(喜ばしいことではないけれども)。

■ネット、しなければ。なんせネットショップを開いたのだから。まだまだアップしたい商品がやまほどあるのになかなか時間がとれないでいる。

■最近読んだ長島有里枝『背中の記憶』講談社がすごく良かった。子供のころ、布団に入っても眠れずに、閉じられた隣室へ続く襖のわずかな隙間からこぼれる光を見つめながら、ぼそぼそと聞こえる父と母の会話に耳をすませていたあの時間が鮮明によみがえってきて、感激してしまった。

■先日、家でイーストウッドの『グラン・トリノ』を観て感激。ここまで現代アメリカ批判だったとは。主演のイーストウッドの言動と行動がただただ痛快でニヤニヤしながら観ていたら、最後は涙を流す羽目に…。

背中の記憶

背中の記憶