■先日観た映画『ブリキの太鼓』で海から引き上げられ鰻がにょろにょろと出てきた動物の頭は牛に見えたのだが、馬なのかもしれない。四方田犬彦ラブレーの子供たち』を読み返したらそのように書いてあった。どうなのだろうと思っていた矢先、某S書店の良質百円均一棚で集英社「世界の文学」シリーズの「ブリキの太鼓」をみつけてハッとする。


小金井駅前の飲み屋「赤札屋」にはじめて行って感激。適度に広くて雑然とした店内。カウンター前の厨房は中がよく見えておやじ三人がてきぱきと調理し、おばさんとおねえさんがささっと運んでくる。その注文してから料理が届くスピードが異常に早い。特に魚のメニューが多く、鮪の竜田揚げ、鰯のしそ巻き天ぷらがとくにおいしかった。ビールの大瓶が500円以下はうれしい。日本酒は一合180円、おつまみも安い。これから重宝しそうだ。


■新潮5月号掲載の中森明夫アナーキー・イン・ザ・JP」を読み終える。現代のパンク少年の頭に大杉栄が乗り移るという設定は唐突で見事におもしろかったけれど、実在する評論家、作家、思想家、文化人ら(実名もあれば、すこし変えてある名もあり、その線引きが気になる)を茶化す部分はすこし狙い過ぎな気がして気持ちがひいてしまった。それにしても大杉栄という人がここで描かれているようにチャーミングであるならばすごくいい。興味を持つ。