■先週末は熱を出し体調を崩しどうなるものかと思ったが、日曜日のニチニチ日曜市にはなんとか復調し完全防寒の身で出かけたのだった。いつものようにたくさんのお客さんがやってきて盛況であった。この日持っていったなかで一番大きな本も売れうれしかった。そういえば突然お客さんにどういうふうに選んで持ってきているのですかと訊かれ、とっさに「ひっかかりそうなもの…」と答えてしまったのだが、これだとなにか勘違いされてしまいそうで冷や汗をかいた。でもまあジョークとして受け取ってくれたかもしれないが…。その本についての知識はなくとも表紙や背表紙の語、デザイン、装丁などからなにかお客さんの興味にひっかかるものがありそうな本をえらんでいるという意味でいった言葉なのだった。

■夜はニチニチにそのまま残って日曜市の新年会。二日酒を抜いていたので麦酒がジンジンしみた。

西村賢太の『二度はゆけぬ町の地図』角川書店を読んだ。主人公の行動や言動にはいつももどかしさを感じるが、それは全面的にいやなものではなく、どこか隙があり読んでいるうちにいつのまにか応援したくなり、愛すべきキャラクターに思えてくるからおもしろい。この人の私小説はくせになる。

二度はゆけぬ町の地図

二度はゆけぬ町の地図