■休日。すっかり寒くなってしまって今年初のマフラーを巻きKと昼過ぎに出かける。途中吉祥寺で発売したばかりの豊田道倫with昆虫キッズ『ABCD』を買い(タワレコにはなくてユニオンで)浅草橋駅へ。古いビルを眺めながらフラフラと歩けば、年に一度のお楽しみになっているくまがいのぞみさんの個展「日々の、うつわ遊び」にたどり着く。たくさんの器がきもちよくならんでいて、次から次へ手を伸ばし、眺め、置く、を繰り返すたのしい時間。くまがいさんの器を日々使っているので新作に驚きつつも親しみを持って眺めることができるし、使うことを想像することもできる。だからいくつも欲しいものができて困ってしまう。懐と相談しながら真剣にえらび、小さめの蕎麦猪口(日本酒を飲むときに使おう)と茶碗、箸置きを購入。少しだけれど久しぶりに話ができてよかった。


■会場の近くで買った鯛焼き(天然物だった)をかじりながら隅田川沿いを歩く。川を離れ浅草を過ぎ上野へ歩く歩く。腹が減ったのですこし早い夕食をとんかつにしようということで井泉本店へ。店の外観、雰囲気、お座敷、とんかつの味、それらのオーソドックスなありように感激する。お座敷で一緒になった家族(おじいちゃん、おかあさん、女の子)ののどかな会話をBGMにとんかつをかじってビールをごくりとやっていたらとてつもなくいい気分になった。

■腹ごなしにまた歩きたどり着いたのは中学校。屋上では大友良英+伊東篤宏+梅田哲也+Sachiko M+堀尾寛太+毛利悠子+山川冬樹による「休符だらけの音楽装置」展が行われている。広々とした会場にぽつんぽつんとオブジェ、装置、が置かれていた。風雨にさらされる屋上にそれら電気的なオブジェが置いてあるそのシチュエーションは無防備なかっこよさがあったし、なにが起こるかわからないワクワクがあった。ひもで吊るされた板が風を受け、またその下に吊るされた長い髪の毛のようなものが揺れ、ときおり置いてあるエレキギターの弦に触れ音が発生するあの装置は、なかなか弦に触れることなくすれすれのところを揺れるのでヤキモキさせられ、いざ音が鳴ってみるとなんともいえないおかしみがこみ上げてくるのだった。体が冷えて帰ることにする。


■帰って買ってきたばかりのくまがいさんの蕎麦猪口でふなぐち菊水を飲みながら、DVDで宮藤官九郎脚本の「未来講師めぐる」を第四話まで続けて観る。深田恭子を良いと思ったのは初めてかもしれない。