■日曜日。中央線下りに乗ると西国分寺から立川が高架になっていて、富士山がはっきりとよく見え思わず拝んでしまいそうになった晴れて空気の澄んだ午前中。八王子で静岡からKの両親、私の両親と待ち合わせ、貸衣装屋へ。ちいさなドアをあけるとおばさんとおばあさんが「いらっしゃい」。イメージとは違う実に庶民的な佇まいで気持ちがほぐれる。Kがいろいろと試着すると毎度感嘆の声が上がった。私もうなずく。横一列に並んだ親たちがあれこれと言い、おばさんは着せながらそのものの特徴などプレゼンし、脇に座っているおばあさんが絶妙な合いの手を入れる。私はその一連の流れがおかしくてポカンと眺めていた。Kの衣装がやっと決まれば私の番。少し張りきって上着を脱ごうものならそのままでいいとの声。選ぶもなにもないくらいあっという間、ものの数分で決まってしまう。初めて羽織をまさに羽織ったわけだが、ひらひらしていて妙に楽しく、むやみに手を広げたり動かしたり。似合いすぎていて変なのか、笑い声が聞こえた。

■その後はKの両親と弟Y君と高尾山を案内。「ケーブルカーで登ったら山頂まではすぐなので行きましょう」などと言っていたのだが、ケーブルカーで登り歩きだそうと表示を見ると山頂まで片道四十分。歩いてみるとやっぱりそれぐらいかかり予定外の展開になったが、山頂でY君が持ってきたいろいろなケーキを広げ皆でフォークでつっつきあったりして思い出深い時間となった。夜は再びわが両親も交えニチニチで食事。酒が入れば入るほど打ち解けた雰囲気になっていたように思う。ニチニチで日本酒をあんなに飲んだことはなかった。

■とても濃い一日。