■とにもかくにも、もう十月だ。おそろしく時が経つのは早い。そのうちすぐに年末があらわれてひょいっという間に新年がやってくるのだろう。ああおそろしい。

■今日はなんだか体の熱がこもっていたのか長袖のシャツを着ていると妙に暑くて、薄い半袖のTシャツ一枚になって働いていた。ひとりそういう格好になっていると、夏を名残惜しんでいるようで、はたまた鈍感な者のようで、人々の視線がすこし冷たい。もうすっかり秋なのだ。


■自転車を飛ばして小金井公園に行き、蜘蛛の巣にからまったり、芝生の上に寝転がり田村隆一の『ぼくのピクニック』を読んだのは木曜日。そこはすばらしく広々とした贅沢な公園だった。東京とは思えない場所がいくつもあり、Kの実家のまわりを思い出したりもした。



■そのKの実家からよくおばさんが作った野菜などが届きいつもおいしくありがたくもりもり食べているのだが、この前の荷物には枝豆が入っていて心が躍った。今年食べおさめの枝豆になるかもしれないその味は適度な渋みが実に麦酒によく合い、みるみるうちに殻入れがいっぱいになった。


■先週の日曜には年に二度、お互いの誕生日を祝うために会う友人と下北で会った。祝うためといったって、まあそれは口実というかいい機会という感じで、実際はべつにとくに誕生日会らしいことはなにもやらず、プレゼントを渡したりはするが、ただただ飲み食いしながらそれまであったことやなんやらを話すという会になっている。ちょうどお互いの誕生日が半年離れているので、いつもだいたい半年振りに会うのだが、序盤はいつもよそよそしくどこかぎこちなくなってしまうのが、おもしろい。それをいつも楽しんでいるような気がする。