来たるべき夏にふるえて餃子食う


■餃子を食べたいと思うときは元気である。そして食べるとやはり元気になるような気がする。「元気」という言葉はすごく快活な印象で私にはなんとも縁がないように思えるが、その無防備なさまが恥ずかしくも好きであったりする。舞城王太郎の「みんな元気。」という作品にはそのタイトルを文芸誌で目にしたときドキッとさせられ読んでみたらすばらしかった。しかし、そういえば、「元気」という名前の人がいるがあれはなんとなく大変だろうな…。病院で名前を告げるときなんか、「〜元気です。まあ元気じゃないんですけど…」なんて言ったりして苦笑しているのかもしれない。ま、余計なお世話だけれども。


■夏はもうじきやってくるのだろう。今年の夏は暑いらしい。楽しみである。麦酒に捧げる季節。それは夏。武者震いが止まらない。


石川淳「焼跡のイエス」、深沢七郎「極楽まくらおとし図」というふたつの短編小説をとくに意味も意図もなくたてつづけに読んだ。