■ベランダのゴーヤがグングンのびてからまっている。毎朝寝床の横の障子を開け寝ぼけまなこでその伸び様を確認するのが密か(?)な楽しみだ。


■ふと思い立って、読み始めた川端康成の『山の音』新潮文庫を読み終えた。小説をよむとき、私は「響く」ということを大事にしていて、それはいわゆる「心に響く」ということではなく、その小説の中にあらわれる様々なことが、大っぴらでなく、ささやかに、しかし確かな手触りをもって「響き合う」ということである。それはなにかの本で小島信夫が言っていたかもしれない。というか、小島信夫の小説がまさにそういう趣を呈していて私はとても心酔しているのだが、川端のこの作品もまさに「響き合う」というおもしろさがあり、実におもしろかった。

妻の自覚とは、夫の悪行に真向うことだろう。
信吾は眉毛がかゆくなってこすった。
春が近い。

という文章のつづきかたにただならぬものを感じる。


■夜食、チャーハン。と缶ビール。