■「LEE」四月号が届く。古本屋で参加しているニチニチ日曜市の記事が掲載されています。伊藤まさこさんの連載。


■そういえば、話題(?)の新潮三月号掲載、四方田犬彦「先生とわたし」を読んだ。いささか感傷的過ぎるとも思えるがそれはそうなのだろうと思わせるだけのエピソードとインテリ文壇ゴシップ満載でおもしろかった。四方田氏の「先生」であるところの由良君美にとても興味が湧く。度々その書名が出てきた由良君美『みみずく偏書記』の一節を孫引きする。

雑然と多様な書物の森にかこまれて暮す。必要に応じてのその群のなかに入り、並べかえ、あれこれ淡い記憶を辿って本の森を彷徨する時間。これがわたしの頭が、もっと活潑に作動する瞬間。本たちのなつかしい顔、忘れていた顔、新顔――それらが意識化の中身を想い起させながら、重なっては離れ、いい思いつきや、着想の糸を織り始める愉しさ

酒を片手に本棚の前にいるのがたまらなく楽しいわたしはこの一節に唸った。上記の本はなかなか古本屋にも出ないようである。出てきても高値が付くようだ。先ずは図書館で探してみようかと企んでいる。