ここ数日

■ここ数日のことを書いておこうと思う。


■今日月曜日はめずらしく休日だった。その代わり日曜日にバイトに入ったのだ。日曜日に入ったということは、まあ、いつもの競馬に行けないということである。なので土曜日に早起きをし、バイト前午前中に立川の場外馬券場でダービーの馬券を買った。そのついでに土曜午前中のレースをいくつか買ってみた。当たらず、これは参ったと頭を抱えながらも、「これで最後だ」と財布の中身を空にして勝った馬券が的中。救われた。昨日のダービーも的中。調子が戻ってきたかな。先週はまったく当たらなかったからその反動かしら。

■そう、結局は五分五分なんだ。でも少しでも頭が出たら良いな。七勝八敗じゃなくて八勝七敗、九勝六敗を目指す。十五勝無敗なんかしてしまうのは怖い。大まか過ぎるけれど、そんなことが書かれている色川武大『うらおもて人生録』新潮文庫を読み終えたのは金曜だったか。付箋を貼った箇所を引用してみよう。

誰でもすぐ納得するようなことを書いたってしようがない。そんなことはたいがい、なんらかの意味で不正確だ。人生の万象(さまざまの形)はいずれも、ちょいとむずかしい。なぜなら、真実というものはすべて、二律背反(相反する二面)の濃い塊りになっているからだ。

語り口がいつにも増して優しい本だった。

■昨夜はバイト後西荻で初めて行く店で飲んでいた。夕方から飲んで三軒目になる二人に呼び出され、挟まれて、エビスを一杯日本酒を二杯。その店、カウンターだけで夫婦二人とバイト風の女の子一人で切り盛りしているこじんまりしたところで、店の人はもちろん、知らない客同士も話したりするとても温かな雰囲気だった。そういうのが疲れるときもあるが、自分の酒場地図に一軒くらいあってもいい。今後、ふとしたときに無性に行きたくなりそうだ。カウンターの前に大皿に盛られた惣菜が並べられており、注文するとそこから取り分けてくれる。そんななんでもないことが僕は嬉しい。サービスでおつまみをくれたり、初めてのお客にもやさしいいい店だったなあ。


■本日は晴天なり。荒川洋治の現代詩文庫を持って出掛ける。駅前の古本屋で井伏鱒二『文士の風貌』福武文庫300円。立川でダービーの馬券を金にしてビックカメラで耳の穴にぴったりはまるイヤーホンを買う。電車に乗り、高円寺、荻窪、吉祥寺をまわり古本屋巡り。ぼくのいつもの休日の過ごし方。高円寺T書店で大竹昭子アスファルトの犬』住まいの図書館出版局200円。大竹昭子は小説よりもエッセー、評論のほうが好きだ。日本の写真家を論じた『眼の狩人』は好きな本。都市と劇場についてのこの本も楽しみである。これ、「住まい学体系」というシリーズで、内容はもちろんハードカバーでありながら小ぶりなサイズという装丁も気になっていた。栞には佐々木幹朗と森山大道のコメントが載っている。吉祥寺のブックSでは川本三郎『日本すみずみ紀行』現代教養文庫を350円で。今日は十軒も古本屋を回ったが、買ったのは以上三冊のみ。


■夜、麦酒と焼きうどんなど。