詩欲

■日曜日。気持ちの良い晴れの日。毎週恒例の競馬に行くもまったく当たらず。ひとつも当たらないのは久しぶりでちょっとがっくし。競馬場に行かないで、場外馬券場に行ったからだろうか。

■そのあと、三鷹へ。

駅前のビル内の三鷹市美術ギャラリーにて大岡信コレクション展を観る。意外と人が多く驚いた。しかし若い人はあまりいない。おそらくここのギャラリーの会員の方々が展示が変わると毎回観に来るのだろう。いかにもなおばさま二人組がひとつひとつの作品に反応し会話する様子がなかなかおもしろくて気になって仕方なかった。

上の瀧口修造「MANRAY」1976年を観て、瀧口の詩集を読もうと決意。そして紙に字を書きたい欲求も沸く。それにしても様々な作家の様々な作品が展示してあった。作品を手に入れた経緯、作家との思い出がそれぞれ大岡の言葉で紹介されており、良い展示だったと思う。真っ白な紙に凹凸をつけている(?・説明が難しい)作品が良かった。作家はなんと一柳慧大岡信の詩もやはりいくつか紹介されており、詩に対する欲がいよいよ高まる。

■歩いて井の頭公園。夕暮れ、ベンチで麦酒。Xといつになく真剣に話す。


■吉祥寺ブックに行ってみたら文庫250円という微妙なセールをやっていて、村上護『放哉評伝』春陽堂岡崎武志『古本でお散歩』ちくま文庫、105円の棚で金井美恵子『文章教室』を買う。いつもはてなの日記を楽しみにしている岡崎さんの本を恥ずかしながら実は初めて買った。早速読んでみたらやっぱりおもしろい。古本好きのバイブルですね。ってこんな言い回しは当たり前すぎて気が引けます。「コートにすみれを」と題された項は詩(現代詩)について書かれていて、まさに今の、僕の気分を盛り上げてくれる。僕も荒川洋治の詩集『あたらしいぞわたしは』収録の「梅を支える」の最初の二連は大好き。もっとも、僕は現代詩文庫で出会ったのだけれど。