レコード
■今夜は久しぶりにレコードプレーヤーを稼動させる。ターンテーブルに載せたのは『michel legrand meets miles davis』と高橋悠治『エリック・サティ・ピアノ曲集』の二枚。高橋悠治のは76年の録音で解説はなんと山口昌男だった。サティを聴くと頭が空っぽになって、ただただ身を委ねることになる。
■洲之内徹『絵の中の散歩』新潮文庫を読了。洲之内徹の著作を2冊続けて読む。洲之内徹の文章に触れているとしばしば目にするのは絵の大きさを示す「〜号」という記述だ。絵はやはり実物を観なければならない。その大きさを体験なければならない。氏の文章に触れていて強くそう思う。盛り上がってきた。日本人の近代の洋画家の絵を観に行きたいと思う。それにそのうちに宮城県美術館に行かねばなるまい。洲之内徹コレクションが常設展示されているのだ。あとがきにこんな言葉が…
八十歳にはまだちょっと間があるが、この頃私は、絵を見れば絵がますます面白く、本を読めばどの本もみな面白く、女の人に会えばどの人も美しく、可愛らしく、まことに仕合せな心境に在る。
まったく羨ましい。このところ感受性が鈍ってきているんじゃないかと思っているだけに余計に印象に残った。でもまだ、「鈍ってきているんじゃないか…」と思うことがあるだけマシなのかもしれない。と考えることにしている。
■荻窪ブックで購書。稲垣足穂『少年愛の美学』河出文庫、『谷内六郎の絵本歳時記』新潮文庫。後者は編者が横尾忠則。谷内六郎の絵を見ていると夢をみているかのような錯覚に陥り現実との境界線がぼやけ、自分が体験した風景のように感じられるから不思議だ。