久しぶり

■久しぶりにこの日記をつけようとしている私は、前回の日記の後、風邪をこじらせ寝込んでいた。日月火の三日間一歩も外に出ずに寝込んでいた。前の二日間はもうただただ布団にもぐりこみ咳をして、本など読む余裕はなかったが、火曜日になってようやく熱も下がりおとなしく過ごすことができた。武田百合子の『富士日記』などを読み進めた。『富士日記』は本当は読み終えてしまうのが嫌だからまとめて読むことを恐れていたのだが、読み始めると言うまでもなくおもしろく、ついつい何ページも捲ることになったのだった。それにしても、まだ『富士日記』を全部読んでいないなんて、うらやましいでしょう。気をつけて少しずつ読み進めたいものだ。


■風邪はいまではもうすっかり良くなった、とは言えなくて、まだ咳が残っていて、体の上でも気分の上でもすっきりしない。子供の頃は風邪をひいたら思いっきり熱を出して、治るととても気分良くすっきりとしたものだが…。


■月火とバイトを休み、水曜は病み上がりのふらふらの体でこなし、また木曜は休日だった。とても風の強い日で寒かった。吉祥寺のF書店で『新潮』の2月号をみつける。これはなんといっても楽しみな小島信夫の新作や、中原昌也青木淳悟の新作、そしていつも楽しみにしている大竹伸朗都築響一保坂和志の連載が載っていて、ものすごく豪華な号になっている。これとロック漫筆家・安田謙一『ピントがボケる音』1200円を買う。後者は国書刊行会から出ている。


■そのあと普段はあまり期待のできない吉祥寺ブックで100円文庫をいくつか拾う。田村隆一『インド酔夢行』集英社文庫永井龍男『カレンダーの余白』講談社文芸文庫色川武大狂人日記』福武文庫、同『離婚』文春文庫、須賀敦子『ユスナールの靴』河出文庫

■この日はこの後たくさん食べてたくさん麦酒を飲んだら、久しぶりにしゃっくりが出て一回止まってまた出たからちょっと体が心配になった。