神保町より中央線

エリカ

■高校の後輩の卒業制作の展覧会を観に行くため神保町へ。ドキドキしながら女子大の中に入る。当たり前だが女ばかり。心なしか皆の視線が男の僕のほうに向けられているような気がする。後輩とやあやあと挨拶を交わし、一通り観て外へ。

■ここは神保町。行きたいところは山ほどある。先ずは映画『珈琲時光』で使われていた喫茶店エリカへ。古めかしい(というか実際古いのだが)店内はほの暗くとても落ち着く。珈琲は苦味がしっかりありつつも酸味も程よく絶品だった。


■それから、古書店めぐり。いくつもいくつも廻るが成果は自分でも驚くほどなかった。まあ初めていく店で気に入ったところを見つけられたが、とうとう何も買わずに神保町をあとにした。たくさん歩いて成果がなくひどく疲れた。

■このままでは帰れぬと中央線の古本屋を攻めることに。まずは友人がやっている阿佐ヶ谷F舎。ブック談議や古本裏話に花を咲かせながら、じっくりと店内を眺める。やっぱりここはいいなあと実感しながら選ぶ。幸田文『北愁』と興津要編『江戸小咄』を親切に安くしてくれる。もとの付値も充分良心的なのだが、嬉しい。幸田文のは新潮文庫の復刻シリーズ。この背表紙が小豆色のカバー(海外文学は紺色)好きなんだよなあ。長居する。

■一駅歩いてみんな大好きS書店の均一で深沢七郎『庶民列伝』と『人間滅亡的人生案内』共にハードカバー単行本と荒木一郎『後ろ向きのジョーカー』、店内で石川淳『天馬賦』中公文庫を買う。『庶民列伝』は文庫を持っているが大好きな本なので買ってしまう。荒木一郎の歌『空に星があるように』を僕はこの前カラオケで気持ちよく歌った。彼が小説を書いていることは知っていたが手にとったのは初めて。どんな小説を書いているのだろう。楽しみである。


■それから帰り道、国立ブックで野坂昭如『水虫魂』新潮文庫、これ初めて見た気がするなあ。

■へとへとの体を癒すため居酒屋にて瓶ビールでXと乾杯。おいしかった。