僕はランジェリー

■久しぶりの日記。さて何を書こうか…と思案しているとここでタモリ倶楽部が始まった。


タモリ倶楽部、今日は空耳アワーの総集編。審査員に近田春夫が出てて嬉しかった。


■水曜日は初めて渋谷の古書センターに行った。一通り観て、結局買ったのは種村季弘『贋物漫遊記』一冊だけだった。同じ建物内の珈琲も飲める古書店Fは洋雑誌がたくさんあって普段はあまり見ることがないのでおもしろかったが、僕が買うものはなし。詩集で気になるものはあったが、中央線沿線の古本屋に比べると高めの値付けで手が出なかった。


■夜は渋谷のO-WESTへ。岸野雄一率いるWATTS TOWERS新春コンサート「ゴミ屋敷の主に天使祓いを」の巻が開催されたのだ。
■先ずは二階堂和美イルリメのそれぞれソロやらデュオの演奏に耳を傾ける。2人ともとてもタフだなあと口をポカンと開けながら観ていた。演奏が始まるとそれまでの緩んだ空気を一瞬にして変えてしまう力がある。聞き逃して、見逃してはならないと思わせる力がとても強いなと思った。アカペラのデュオなんか痺れたなあ。二階堂さんのバックコーラスの上をイルリメがラップして時々同じフレーズをハモル時なんかもうニコニコしてしまう。
■二組目は捏造と贋作。あのゲルニカ(!)の上野耕路はなんか佇まいが岸野さんに似ている。松永孝義のベースも生で見るのは初めて。彼らの演奏を物凄く楽しみにしていたのだが、良い意味で裏切られた。それはボーカルの久保田慎吾オノマトペボーカルの異様さと素晴らしいプロポーションの踊り子さんの強烈な存在感だった。踊り子さんが上着を取った瞬間、体が熱くなって見つめ過ぎないように試みるがどうしても見つめ続けた。ライブ後の酒の席でフリフリのランジェリー姿と猫タイツ姿のどっちが好きかということで友人と意見が分かれた。僕はランジェリー。さて、捏造と贋作の音楽はというと、なんとなくクルト・ワイルを思わせるところがあり、くすぐられた。
■そういやこの日のDJが面白かった。細馬宏通宇波拓の「かえる目」がターンテーブルの前で落ち着いて座っている。なにやらマイクを通った声が聞こえる。曲の紹介をしていた。クラシックや民族音楽など次々に紹介してはレコードをかけてコメントしている。まるでNHK-FM。ディスクジョッキー(笑)だった。細馬さんの声は氏のネットラジオを良く聴いていてとても好きな声。なんだか会場が自分の部屋に感じられておかしかった。宇波さんお得意のブルブル震える機械もあった。アルミホイルを震わせシャカシャカ鳴らしてた。
■お楽しみWATTS TOWERSは相変わらず僕を興奮の渦へ誘ってくれる。とにかく何度も言っているけれど、岸野さんが話しているのが段々と歌になっていくところが異常に好き。もうなんか岸野さんについてはこの日記で何回か書いているので繰り返したくないのだけれど、とにかく見事なエンターテイメントショウで、幼少の頃、テレビで「おかあさんといっしょ」を観ていた時こんな気分だったんだろうなというくらい無邪気に楽しんだ。とくにこの日のライブで特筆すべきことといったら、あの「ヒゲ」がなくなっていたことだった。そして前回前々回と封印されていたクイーンの舞(「ボへミアン・ラプソディー」を流して歌詞に忠実な振り付けで舞うのです)が復活して、今年一番の嬉しさだったのは言うまでもない。
■ジムオルークが観に来ていた。


■あと、昨日買った古本を記しておく。荻窪S書店で均一からW・サロイヤン『人間喜劇』、色川武大狂人日記』、300円の棚で『保田與重郎選集 第一巻』は相当嬉しい。『人間喜劇』は訳者が小島信夫なので気になっていた。『狂人日記』はハードカバー。毎度のことながらS書店の均一は素晴らしい。そして荻窪ブックで100円の棚じゃないけれど赤瀬川源平『桜画報大全』はめずらしい。探していた。新潮文庫版。