競馬通い

■今日も競馬で負けた〜。出足は好調だったのに最終的にはJRAにたんまり吸い取られました。この頃毎週のように行ってるけどちょっと考えないとな、という思いを胸に冷たい夕方の線路沿いを自転車こぎこぎ。ギーコギコ。でもやっぱり楽しいのだ。馬券だけ買ってレースは見ないでどっかに行くなんてことはしないのが僕の信条。おっさんたちに紛れてぶつぶつ云いながらレースを観て、当たれば「良し!」、外れれば「畜生!」と言い放つその行為こそが楽しみなのだ。もちろん当たって懐が暖かくなるのは嬉しいけれど、そう上手くはいかないことはわかっている。それでも行くのだ。

■ああ・・・でも、それにしても負けた日の帰り道は悔しいし寂しい。自転車を無意味に飛ばした帰り道であった。


■そういや正月休みの間に深沢七郎『人間滅亡の唄』を読了した。深沢さんの鋭い観察眼で見つめられたこの世についての雑記集とでも言おうか。それにしてもつくづくコワイ人だと思う。すこぶるおもしろく、刺激的であった。

屁をひるということは悪事を働いたのではないけれど、下劣な行為のように思われるらしい。が、私はそれ程タイしたことでもないと思っている。屁は生理作用で胎内に発生して放出されるもので、人間が生まれることも屁と同じように生理作用で母親の胎内に発生して放出されるのだと思う。私は一九一四年一月二十九日、山梨の片田舎町―石和に屁と同じ作用で生まれた。人間は誰でも屁と同じように生まれたのだと思う。

「自伝ところどころ」より。
深沢さんをアンチ・ヒューマニストと言ってしまうのはつまらない。その文章の単調さは僕にとってはとても音楽的なリズムのように感じられるし、即物的な文体(ものの見方)がとても好きだ。