2005-12-10 明日のためにひげを整えた私の日記 ■講談社文芸文庫の阿部昭『千年/あの夏』を読了。七つの作品が収められた短編集。子供の視線から描いた作品が多いのだけれど、それはあくまでも「視線」が子供のものであって、「語り」は大人のそれだ。子供時代に見たものを反芻してみると見えなかったものが見え、見えていたものが見えなくなる。ということがありそうである。まさにそのことに対する葛藤が描かれた「桃」という作品をおもしろく読んだ。 ■明日は法事。よりによって明日から冷え込みが厳しくなるとのこと。