文芸誌

西荻窪駅構内の便所で放尿しながらふと前方の壁に目をやると、「一歩前にお願いします」という張り紙。


■文芸誌11月号3誌を購入。「文学界」は佐々木敦氏の月評をまず読むことにしていて、今回の締めが「神様、文芸評論って耐えることなんでしょうか???」とあって苦笑を禁じえない。「群像」は意外な組み合わせ(?)の大江健三郎町田康の対談が楽しみ。「新潮」は充実の連載陣と阿部和重の新作が楽しみ。題名は「課長 島雅彦」。


■雨がようやく止んだ。太陽の光が恋しい。



色川武大『生家へ』、読了。色川さんの本をいくつか読んでいれば、出てくる人物はお馴染みのものになってくる。特に父親は特異な人物で、登場するだけでわくわくすると同時にクッと体に力が入る。色川さんの描く生家がいやにはっきりと見えるような気がするのはきっと気のせいではなくて、執拗に同じことを書き続けた氏の姿勢によるところは多分にあるし、あのまるで目の前に居て語りかけてくるような筆致の結実であると思うのだ。



■帰り道、国分寺駅にて特別快速との待ち合わせによる停車中に向こうの電車に友人を発見。お互い気づいて一度手を振って、でも扉はなかなか閉まらなくて、また「じゃあね」と手を振って、というのをやっているとどうもドギマギしてしまう。