サマージャム‘05

■何もしない休日。というと、どうも何かモヤモヤしたものが付きまとう。何もしていないことはないはずで、何かをしているわけだ。何もしないとはひどく難しいことじゃないかと思う。

■早朝に寝て、昼に起きて、「いいとも」を観て、蕎麦を食べて、散歩に出掛けた。特筆すべきことといえば、電車に乗らなかったことであろう。バイトがある日は乗らなければいけないし、休日だってどこかに電車に乗って出掛けることがほとんどだ。というか電車に乗らない日というのがどのくらいあるだろう。年に五日あるかないかだと思いを馳せながら立川に歩いていった。


ビックカメラで用を済まし、さあどうしようか思えば、それは答えが決まっていて、いつもの休日のように古本屋だ。


■しかし一冊しか買わなかった。ブックで保坂和志のエッセイ集『アウトブリード』。そういえば昨日はバイト帰りに荻窪のブックで須賀敦子『ミラノ霧の風景』と文藝別冊の『須賀敦子・追悼特集』を手に入れた。


■夕方の近所の風景はいつもどこかに出掛けている僕には見慣れないものでとても新鮮だった。


■帰り道、スーパーで夕食を買って帰ると十時を過ぎていた。ビールも飲まずのんびりとよく歩いたものだ。


■焼き鳥と刺身とオクラの胡麻和えと枝豆をつまみながら缶ビールを傾ける。


■いろんなことをした何もしない休日。こういう感覚の一日はめずらしいし、貴重だ。



■そういえば本を読んでいないじゃないか。これもとてもめずらしい。