空き缶
■さあ、日曜日の朝だ。昨夜から本を読みながらいつの間にか眠ってしまい、目を覚ましたところだ。短い睡眠だが、暑くて汗がべとべとなので、シャワーを浴びたらなんとなく目が覚めてしまった。
■ぼくは、休日なのに、いや、だからこそ早起きをしたくなる。
■それにしてももう8月である。夏本番である。夏の暑さはこたえるが、これが夏だ。というか、夏の暑さとはこんなものだったか。妙に強気な朝だ。昨夜もエアコンいれなかった。
■空の麦酒の缶を片付けようと手に取ったところ、三つの缶それぞれに五分の一くらいが残っていた。無意識に僕はこういうもったいない飲み方をする。まあ贅沢とも言えるわけだが、無意識なのでその贅沢を実感はしていない。吉田健一じゃあるまいし。
「麦酒、ぬるくなちゃった。新しいの持っといで!」
■朝、その残ったぬるい麦酒を一口恐る恐る飲んでみる。意外と炭酸は抜けていないものである。