どんより

■どんよりと重い空。読みかけの本を次々とめくる。こういう天気の日は集中できる。外出する気分にならないからだろうか。

坪内祐三さんの『古くさいぞ私は』はいつもソファーの上に置いてあり、少しずつ少しずつ大切に読んでいる。今日はちょっと読みすぎたな。同じ本でもゆっくり少しずつ読むか、一気に読んでしまうかでだいぶ印象が変わってくるだろう。例えば武田百合子の『富士日記』は少しずつ読みたい。漱石の『草枕』なんかだと逆に一気に味わいたい。


■今日は、それでも、やっぱり、今にも雨が降り出しそうな空を窺いながら、古本屋へでかけた。荻窪のS書店、三鷹のS堂。いつものコースだ。けれど、結局一冊も買えなかった。めずらしいがそういう日はそういうものだ。諦めが肝心。他の店に出向くのもやめた。途中急激に腹が減り、コンビニでおにぎりと飲むヨーグルトを買う。変な組み合わせだと思いながらもどちらもとても食べたかった。こころなしかレジの女の子が納得行かないという感じで苦笑しているように見えた。小雨の中、歩きながら食べる。これはこれで楽しい食事だ。すれ違う人々のチラッとこちらを見る目線がスパイスとなる。見せつけるようにムシャムシャとたいらげる。

■そういえば新しいエンタクシーが出ていることに気づき、久しぶりに新刊屋へ。今回も盛りだくさんの内容だ。おまけに別冊付録として文庫本サイズの洲之内徹の幻の名作小説が付いていて驚く。こんなに嬉しいものはない。レジに持って行って驚いた。前は500円だったのに、いつのまにか860円になっていたからだ。まあそれでもまったくもって問題ないくらいに楽しめる内容であろう。表紙はリリーフランキー。あの毎号楽しみにして読んでいた『東京タワー』が本になったらしい。


■「情熱大陸」を観る。菊地さんの新たな面が見えた。ほとんどパンツを穿かないとか…。故郷や父親との関係などに踏み込んだところが良かった。東大の授業がなくなってしまうのがすごくすごく残念で寂しい。