■雨が降り続いた一日。


■そんな日にバイト先で買った本は小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』。坪内祐三氏の本で日本のミニマリスト作家のひとりとして紹介されていて気になっていた。

僕はいま武蔵野市の片隅に住んでゐる。僕の一日なんておよそ所在ないものである。本を読んだり散歩をしたりしてゐるうちに、日が暮れてしまふ。それでも散歩の途中で、野菊の咲いてゐるのを見かけたりすると、ほつとして重荷の下りたやうな気持になる。その風情が僕に、「お前も生きて行け。」と囁いてくれるのである。

『落穂拾ひ』より。
簡潔な文体で隅々まで輝いて見えたのは雨の魔力のせいだろうか。帰りの電車の中でじっくりと入り込んで読んだ。


■あと、澁澤龍彦『偏愛的作家論』を買う。おお、花田清輝について一章割かれているじゃないか。花田氏のレトリックに満ちた文体に夢中になった時期があったんです。

■家でXの手製のジャガイモのマリネをつまみながらいつもの泡立つお酒。

■借りてきたルネ・ラルー監督『時の支配者』を観る。
まさにSFの王道といった感じの内容。全体主義思想に対してなど政治に対する批評的な暗喩があって、それはこの映画が作られた時代、作り手の立場では必要だったのかもしれないが(調べてないからわからないけれど)、物語を貧しくさせているなと感じた。もっと長くして広げたらよかったのにな。
アニメ映画なんていつぶりだろ?「なんて」つっても馬鹿にしているわけじゃあないです。ジブリの映画だって最近のは見てないし、それほど心酔できない非国民のわたくしは、「アニメ映画」というと少し構えてしまうのですがね。

■あ、ヤン・シュバンクマイエルは大好きです。