古本地獄
■休日。
■カレーを食べて、昼過ぎにふらりと外へ出る。といったら行くところは決まっている。古本屋だ。
先ずは国立駅前M書店。ついおととい物色したばかりなので、あまり期待していなかったのだが大発見。深沢七郎『深沢七郎の滅亡対談』(ちくま文庫)と目が合う。やあ、うわさには聞いていたけどこんなところにいるとは!絶版なのに定価の半値。幸先の良いスタートである。
■その後、荻窪S書店、三鷹S堂と回る。電車のなかでさっそく『滅亡対談』を味わう。横尾忠則の装丁がかっこいい。深沢さんの顔写真の上に、猫や蝶や馬などの小さな絵が散りばめられていて、脈絡がなく可笑しい。中身はというと目次を見ただけでニヤリとしてしまうほどだ。例えば、
糞尿屁座談会(永六輔・竹内労・野坂昭如・深沢七郎 司会=矢崎泰久)
放屁合戦 痰壷の神様 臭殺法 血便の美学 湯槽中の快 オナラ節、題して「ケムリ歌」
朝の清清しい時間に読んでいる人ごめんなさい。
他にも、井伏鱒二、大江健三郎、山下清、殿山泰司などなど錚々たる顔ぶれとの対談が載っている。
■Sでは、長らく絶版になっていて最近河出文庫で復活して新刊で買おうかと迷っていた尾辻克彦『肌ざわり』を百円で。いいタイミング過ぎてびっくり。だってその直前に新刊屋で手に取っていたのだから。それにしても安い。この本ふつうもっとするよ。S書店はそれを知らないわけはない。ここの百円コーナーは本当に良心的で驚くようなものがよく出る。
他には石川惇『新釈古事記』(ちくま文庫)を通常の棚から。古事記や日本書紀など日本の古典を読みたいと思っているのだ。
■そして三鷹駅からの長い道のりを熱々のたい焼きを頬張りながらS堂へ。ちくま文庫のいいところがまとめて入ったとの情報を得たので訪れた。で、狙い通りちくま文庫3冊、色川武大『唄えば天国ジャズソング』(これはめずらしい。初めて見た)、種村季弘『書物漫遊記』、『食物漫遊記』を購入。いずれも絶版。良い買い物だ。今日はちくま文庫ばっかりだなあ。
■もう一軒、さえないお店で柳田國男『なぞとことわざ』。
■こんなことを書いていると、なんなんだおれは、という問いが降りかかる。
業者かオレは?
■夜は某居酒屋でビールを浴びるように飲んで帰宅。
昨日の日記で言及した鈴木清順の『陽炎座』を借りてきて観るも酔いが回ってきたらしく眠くなってきて中断。眠気覚ましにこれを書いています。
■これから観れるだろうか?今夜は早く床につこうかな。